ジャーナル投稿アクセプトの為の”プロにちょっと近づく”画像制作・編集テクニック②中級編(Elsevier「GUIDE FOR AUTHORS」準拠)

「投稿ガイドライン」に則った

Photoshopを使った

基本の画像制作・編集テクニック

このブログ投稿では2,500誌以上の科学・技術・医学・社会科学分野のジャーナルを発行するエルゼビアの「投稿ガイドライン」、特に「Electronic artwork」のパートを参考に「基本の画像制作、編集、投稿のヒント」を解説していきます。

尚、「投稿ガイドライン」は予告なくアップデートされることがあり、またパブリッシヤーやジャーナル毎でガイドラインは異なります必ずご自分が投稿なさるジャーナルのサイトから最新情報を入手して「必ずご本人の責任に於いて」投稿してください。本ブログ内容に起因して「投稿を受け付けて貰えなかった」「リジェクトされた」「論文が撤回された」等々、当方は一切の責任を負いません。

必要なもの

  • Adobe Photoshop 無料ダウンロード先はこちら 
  • 素材JPEGファイル
  • ワークし易いよう、デスクトップ上にフォルダを作ってまとめておく
  • ①初級編終了レベルの画像編集スキル
  • 「アクセプトを絶対勝ち取る」という不屈の精神

中級

体裁を整えて「アクセプト率」を上げる

見栄えを良くする

中級を終えるとこれだけ出来るようになります:

  1. 不要な部分をマスキング(消す)
  2. 背景に「べた塗り」レイヤーを挿入する
  3. 額縁を付ける
  4. 背景画像に「グラデーション」を入れる

Photoshopの基礎知識(再掲)

Photoshopを立ち上げてオリジナル素材画像を開いた画面

①最上部横方向「メニューバー」

中級で使うもの:

選択範囲/選択とマスク
レイヤー/新規塗りつぶしレイヤー/べた塗り

③左縦方向「ツールバー」

中級で使うもの:

ツールバー/長方形ツール

②上部横方向 ツールバー毎の「オプション」設定項目(メニューバー下の「家マーク」の右並び)

例)文字入力⇒フォント、サイズ

右側「ウィンドウ」(細かな設定を行う領域、メニューバー/ウィンドウから選択)

良く使うので出しておくもの:

④プロパティ(縦横サイズ、画素数、線)
⑤レイヤー(何層にも重なる透明フィルムのようなもの)

作業開始

1. 不要な部分をマスキング(消す)

画像の不要な部分をマスキング(隠す)するテクニックです。

メニューバー/選択範囲/選択とマスク

キャンバスが細かなタイル(画素)に変わります。

タイル状の部分はマスク状態(非表示)になります。

ツールバー/オプション

ツールバーの一番上の筆(クイック選択ツール)を選ぶ

メニューバー下のオプションで筆の+(表示)/-(非表示)やサイズを選ぶ。

この時あまり大すぎると細かな部分はやり難い。

表示させたいオブジェクトを筆でポンポンと叩く要領でクリックしていきます。

するとPhotoshopがオブジェクトを選択してくれ、オブジェクトのタイルが消えていきます。

更に細かく見て行きます。

ウィンドウ内の「表示」をドロップダウンして「オーバーレイ」を選択します。

「表示」を「オーバーレイ」に変えると、誤って、猫の頭の上の背景部分(赤矢印部分)、を筆でクリックしていたのがわかります。

今度はオプションで筆を-(非表示)に切り替え、非表示にしたい部分を再度ポンポンクリックしていきます。

良さげですが最終仕上げです。

ウィンドウ内「表示」で「白黒」を選びます。

背後のテーブルの脚部分と細い線が移り込んでいます。

更に-でポンポンクリックします。

良さそうです。

右下のOKボタンかEnterキー

マスキングが出来上がった状態です。

「表示」で「オニオンスキン」に戻して、上手く表示(タイルなし)・非表示(タイルあり)がされて完成です。

2. 背景に「べた塗り」レイヤーを挿入する

タイル画像部分は透明色になっていますので新たに「べた塗りの背景画像」を入れます。

レイヤー/新規塗りつぶしレイヤー/べた塗り

べた塗りの色を選んでOKをクリック

べた塗りの新規レイヤーがオブジェクト画像の前面にあってオブジェクトが見えません。

レイヤーの順序を変えます。

ウィンドウ内レイヤーのべた塗りをドラッグドロップでオブジェクトの下に移動します。(青い線が出たところで離します)

オブジェクトがべた塗りの前面になりました。

3. 額縁を付ける

額縁を入れます。

ツールバー/長方形ツール

キャンバスの左上をクリックし、そのまま右下に引っ張ります。

上手く行かなかったら「メニューバー/編集/やり直し」、或いは出来たレイヤーをウィンドウ内レイヤーの「長方形ツール」を掴んで右下「ごみ箱」に捨ててやり直してください。

ウィンドウ内レイヤーに新たなレイヤーが作成されました。

この時、長方形枠は最背面の黒のべた塗りレイヤーより少し小さく(プロパティでW/Hを50減らす)します。

オプションやウィンドウ内プロパティで微調整出来ます。

4. 背景画像に「グラデーション」を入れる

ウィンドウ内レイヤーの長方形レイヤーを選択しメニューバー下のオプションでグラデーションを選択し、ブルーの中から好きなものを選びます。

ウィンドウ内レイヤーを確認してください。

最前面 オブジェクト(オブジェクト以外は透明)

前面 グラデーション背景(黒べた塗りより50WH小さめ)

最背面 黒のべた塗り背景

その他「図表・画像」提出時の注意事項(再掲)

ファイル名はわかりやすく

Files should be labeled with appropriate and descriptive file names (e.g., Fig1.tiff, Table3.doc).

原稿テキストとグラフィック/フィギュアは別ファイルで

Upload text and graphics (figures) as separate files.

複数のフィギュアファイルをZIPして送ることも出来る

You can compress multiple figure files into a Zip file and upload that in one step; the system will then unpack the files and prompt you to name each figure.

フィギュアをテキストファイルに挿入しない。テキストや図をPDFで送らない。

Do not import figures into the text document and do not upload your text or figures as a PDF.

フィギュアに添える短い説明文「キャプション(短いタイトル+説明)」が必要だが画像内には入れない。

Ensure that each illustration has a caption. Supply captions separately, not attached to the figure. A caption should comprise a brief title (not on the figure itself) and a description of the illustration. Keep text in the illustrations themselves to a minimum but explain all symbols and abbreviations used.

必ず、投稿するジャーナルサイトから最新情報を入手してご自身の責任に於いて提出してください。本ブログ内容に起因して「投稿を受け付けて貰えなかった」「リジェクトされた」「論文が撤回された」等々、当方は一切の責任を負いません。

まとめ

“One picture is worth a thousand words.”

Sue Hanauer (1968)

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