英語論文・ジャーナル投稿|修士・博士・研究者が最初の一歩から応用まで体系的に学べる実践ガイド|リソース集①

このリソース集は、研究者・医療専門職・大学院生が“英語で自らの研究を世界に発信する力”を育てるための実践ガイドです。

最近はAIやSEOライターによる量産記事が増えていますが、ここでは実際の「ジャーナル投稿プロセス」を深く理解した講師による実践的ガイドを紹介します。

英語論文を投稿する前に知っておきたい基本と流れ

実際の投稿プロセス(ジャーナル・サブミッション)は、一般的には、まず秘書がテクニカル・チェックを行い、Editor-in-chief(編集主幹)に回すところから始まります。

テクニカル・チェックでは主に以下の確認が行われます:

  • 投稿規定・ガイドラインの順守
  • 盗作チェック
  • ランゲージ・イシュー(内容よりも英語そのものの質が一定の水準に達しているか)

👉 投稿規定ガイドラインはジャーナルサイトにちゃんと書かれています。リテラシー、倫理、教養が問われています。これら初歩段階での却下は論外です。


次に、エディターはその論文がジャーナルの領域(scope)、目的(purpose)や読者層(audience)に合うかを判断し、合わなければこの時点で却下です。つまり科学でなくて「ビジネス・デシジョン」です。

👉 これもジャーナルのEditorial policiesを読めばちゃんと書いてあることですので手を抜かず調べましょう。


次は、エディター・チェックです。

エディター・チェックでは主に以下の項目が詳細かつ総合的に検討されます:

  • 明確な問題提起(research question)
  • 妥当な問題解決(problem solving)
  • 明瞭簡潔(clear and concise)で解りやすい議論深い洞察(in-depth discussion)
  • 優れた論理構成(well-written)
  • 読者に”実務的価値”(informative, practical , useful)や”興味と関心”(interests, enthusiasm)を提供

👉 さて、「最重要ファクター」は──疑いようもなく「学術的・科学的進歩性 scientific advancement」と「新規性 noveltyの有無 です。

講師の経験では「進歩性・新規性はアピール次第」と思っています。

相手は人間です。「わかってくれない(中二病)」ではなく「わかって貰う努力をしなさい」ということ。


✅いよいよ皆さん戦々恐々の査読プロセスです。

査読でリジェクトされるのは「内容が悪い」からではなく(エディターチェックは通ってるわけですから)、指摘への対応が不十分だったり、修正を怠った場合がほとんどです。

👉 建設的批判は受け止め、単なるディスりはサラリと交わし、情報が足りなければ補い、匿名であっても人間対人間のやり取り」であることを念頭に謙虚かつ真摯に向き合うことが大切です。

👉 「査読者は読者代表」です。査読者を納得させられないコレスポンデンス著者は読者も納得させられません。

👉 査読対応はケースバイケースです。
“査読コメントへの対応術”“査読対応マニュアル”といったものは、この世に存在しません。

📌ご自身での対応に不安がある場合はお問い合わせよりスポット単発レッスンをお申込みください。


これら長い長いプロセスを経て勝ち取るアクセプトは研究者のトロフィー勲章です。

その勲章を手にするためには、論文を「通す技術」よりも「伝える姿勢」が問われます。

英語論文投稿の心得「わかって貰う努力をしなさい」―研究者の成長と謙虚さを説くココペリ名言

目次:英語論文・ジャーナル投稿の流れと準備チェック

  1. 英語論文を投稿する前に知っておきたい基本と流れ
    1. 英語論文執筆の第一歩は「読むこと」から
    2. 良い英語論文を書くための『モデリング』方法
    3. 文献検索のコツ(PubMed・Google Scholarの活用)
    4. 英語論文の通読・要約で理解を深める
    5. アカウント作成と論文の管理
    6. 有料・無料アクセスの注意点
    7. 次回予告
    8. 💬まとめ
  2. 英語論文 読解・執筆・投稿に役立つ最新記事一覧

英語論文執筆の第一歩は「読むこと」から

💡いきなり英語で論文を書き始めるのは難しいです。まずは英語論文をたくさん読みましょう。

週に1本など、具体的な目標を決めるのがおすすめです。いきなり書き始めるのは失敗のもとです。

良い英語論文を書く第一歩は「読むこと」―ココペリ名言集:書く前に読む

良い英語論文を書くための『モデリング』方法

💡英語論文の書き方には共通のルールがあります。優れた論文をモデルにして学ぶ「モデリング」は、研究者として不可欠なトレーニングです。

モデリング(何かしらの対象物を見本(モデル)に、そのものの動作や行動を見て同じような動作や行動をすること)ができない人は、研究者に向いて居ません。

他者の論理構造を分析し、自分の論理構築力に変える練習をしましょう。


文献検索のコツ(PubMedGoogle Scholarの活用)

🔍 ご自身の研究テーマに近い論文を探すには、以下のような検索テクニックが有効です。

検索の基本:

  • キーワードを複数試し、タイトルで絞る
  • 「Similar articles 似た記事」「Cited by 引用論文」「Related articles 関連記事」から芋づる式に読む
  • Abstract(要約)を読んで面白そうならブックマーク
  • 読んだ文献のReferences(引用文献)を辿る
  • 「引用数」で論文の重要度・影響度を確認。

🔍 キーワードの工夫
初心者のうちは「何を入力してよいか分からない」という壁があります。

そんな時は、検索バーに思いつく文字を入力してみましょう。すると「候補(suggestion)」が表示され、他の人がどのようなキーワードを使っているかが分かります。これは“英語のボキャブラリー不足”を補う助けにもなります。


絞り込みのポイント:

  • 出版年
  • 記事タイプ(original paper/reviewなど)
  • 著者
  • ジャーナル名

🔍いきなりオリジナルの研究論文(original paper)に挑むのではなく、まずは systematic review(システマティック・レビュー) を読むのがお薦めです。

レビュー論文では、すでに複数の研究が比較検討されており、研究トピックの全体像をつかむことができます。文献の抽出方法も書かれていますし、対象の論文をたどることで、重要文献を深く掘り下げられます。


🔍本は古典的なものが多く古いのが難点。文系であれば引用するのは大いにあり。 最新知見が知りたいならジャーナル。過去3-5年などでボリュームが急増していればホットトピック。


🔍著者名をクリックすれば、研究者が過去にどれだけ論文を書いているかが一目瞭然、被引用数もチェックすれば世界クラスの科学者・研究者の実力が伺い知れます。

研究者の専門領域や関心トピックに自分との共通点があれば、将来コンタクトを取って情報交換も出来る。とんでもないビッグネームから返事が返ってくることもあります。

📌関連記事 教授が思わず返信したくなるような“心を打つ研究問い合わせ英文メール”をChatGPTで書いてみた(ChatGPTプロンプト付)


🔍ジャーナル名がわかれば、ジャーナルのサイトで「ジャーナルの領域や目的、編集方針」他の詳細を調べ、将来の「ジャーナル投稿先選定」の一助とします。

ジャーナル・ランキングを見ればインパクトファクター等からアクセプトの難易度が推察出来ます。ランキング低位からチャレンジしていくのが確実です。

研究初心者への助言「まずはSystematic Reviewから」―英語論文読解の第一歩

英語論文の通読・要約で理解を深める

✍️ 興味のある論文を数件選んだら、最初から最後まで通読し、要点を日本語でまとめましょう。

📌論文を一度も通読したことがない人は、論文執筆の準備がまだ整っていません。


アカウント作成と論文の管理

✍️ PubMedやGoogle Scholarでは、無料でアカウント作成ができます。ブックマーク機能を活用して、読んだ論文を整理しましょう。

また、実際に論文に引用するときのために「論文管理ソフト」の導入も検討しましょう。


有料・無料アクセスの注意点

💡Abstractの閲覧は無料ですが、本文は有料の場合がほとんどです。

📌(ダウンロードし放題な)大学などの研究機関に所属していない場合、必要な論文だけを慎重にダウンロードしましょう。

タイトルに釣られてダウンロードしても中身が薄いこともあります。そうした“バッドペーパー”も、「他山の石」として活かしましょう。自分はそうした“バッドペーパー”を書かないよう、常に心に留めておきたいものです。


💡「オープンアクセス(Open Access)」の論文は、著者が費用を払い無料公開しているものです。

英語学習やリーディングの訓練にはこれでも十分役立ちます。

と同時に無料に拘ってばかりいると「有用な論文」は手に入りません。

英語論文執筆の心得「他山の石としてバッドペーパーを書かない」―研究倫理と自戒のメッセージ

次回予告

論文検索で「有用な論文かどうかわからない」というお悩みには、次回の記事で詳しくお答えします。

💬まとめ

  • 良い論文は「読む→理解する→要約する→真似る」からです。

英語論文 読解・執筆・投稿に役立つ最新記事一覧

英語論文の読解・執筆・投稿、英語勉強法など、実際に役立つ最新ノウハウをまとめています。研究者・大学院生の方におすすめの読みものです。

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